薪棚DIY【8】 木工事 羽柄材 (埼玉県日高市)
- SELAM dryflower
- 2022年10月4日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年12月10日
前回までに上棟が終了しました。
通常であれば屋根の工事に入るところですが、薪小屋に同じく作業性(足場)を確保したいので屋根は後回しにして床板(薪を置くところ)を張っていきます。
床板張り(1段目)
張る前に板を塗装します。

見えがかるとこだけでよさそうですが、長い目で見ると基礎側からの湿気にも耐えられるように全面塗ります。単純計算塗料が倍必要になりますが、一度施工したらできない箇所なのでしっかり塗りました。
木表が上か、木裏が上か。
反りを抑える?湿気は下から?薪が当たるとささくれる?
判断材料はいろいろあるところですが今回は木表を上で統一しました。

1段目の板を張ると足場になるので2段目を張る前に他の箇所の施工に移ります。
貫板施工
今回のキモになる塀を留めるための貫板をつけていきます。

わざわざ貫板をつけようと思ったのは伝統工法への憧れからです。
かなりの手間がかかるので人には勧めません。 しかしながら挑戦したかったのでしかたありません。 そういう性分ですので。
しかしながら貫板の工法についての情報がなかなか見つかりません。
私が情報を得るのは主にwebですが在来軸組工法は良しとして伝統工法になると途端に情報量が減ります。
エビデンスがしっかりしているというところでどこぞやの先生の論文などを見つけたら垂涎モノです。 広報意識の高い?情報発信を前向きにしている伝統工法を得意とする工務店等の情報も大変ありがたいです。 職人技というのは口伝の物がほぼだとおもいます。 教えるとか伝えるというのはとてもエネルギーのかかることです。 弟子はともかくどこぞやの知らない人の為に情報を残すなど余程の物好きか意思のある方でしょう。 私の求め方がまだまだ足りないという事かもしれませんがもう少し容易くこの手の情報が手に入らないかなぁと思うこの頃。 ・・・脱線しました。 今回も運よくwebで頼りになりそうな情報を発見したのでそれをもとに貫板の加工をしていきます。

貫板といえば楔で留めていくものと思っていましたが、中には込み栓を併用するものも。 間違いなく必要はありませんが、安全マージン(断面欠損を気にすると込み栓はない方がいいのかもしれません)と見た目がカッコいいしやってみたいという理由で併用することにしました。
込み栓づくり
込み栓の寸法は6分。
丸ノコ盤を駆使してひたすら作っていきます。
同じものをひたすら作っていくのは結構好きです。

なぜ6分にしたかというと、角のみの錐の手持ちが6分と1寸しかないからです。 構造材が3寸なので本当は5分にしたいところですがーーー 続いて楔の寸法です。 先の通り構造は3寸両側から入れるとなると長くしすぎると真ん中でぶつかってしまいます。 勾配が緩すぎてもたくさん入ってしまってこれまた真ん中でぶつかります。 経験はありませんので実際に作って叩き入れてどれほど入っていくのかを見て微調整しました。
初期ロットは作りが甘くガタガタ。 作っていくと慣れてきて最後の方はビタっと決まります。
(最初からこのクオリティーが欲しいところ・・・) 楔が割れないように向きに(斜めに切った方を貫板につける)気を付けて叩いていきます。 程よい締まり具合になりました。外れることはなさそうです。
筋違施工
続いて短手方向の筋違を入れていきます。

「貫とか言ってたのに今度は筋違?」というご意見はごもっともです。
貫なら貫で、筋違なら筋違で統一したいところです。 しかしながら、長手方向の貫のホゾと短手方向の貫のホゾ、さらには胴差との取り合いを考えていくとおさまりが悪い(見た目のバランスに違和感)と感じてしまった為そのようになりました。 貫と筋違のハイブリッドで構造耐力がどうというのはよくわかりませんが、ないよりはあった方がよいと思い
筋違をいれました。
一度入れた筋違は取り外して塗装します。
木口にも塗装するためです。
そのまま固定してすぐに塗装したいところですがーーー
何年か後にこの手間をかけておいてよかった、となることを願います。
しばらく乾燥させてから納めます。
2段目板張り
筋違の塗装が終わったら薪棚の2段目部分の板を張りです。 2段目は胴差に直接留めます。

よくある薪棚の板は長手方向に張りますが、それだと床梁や根太などがないと反ってしまいますがそれも手間だなと思い床梁や根太がなくてもいいように短手方向に張るようにしました。
また、こうすることにより短手方向の揺れどめに寄与しているのではという希望も。 切断回数は増えますが、どこに手間をかけるかだと思うので機能的にはどちらでもいいと思います…
壁板張り
いろいろと同時並行ですが壁板も作っていきます。
何はともあれ分決め、切断、塗装をします。
結構な枚数になりました。

「薪棚兼塀」なのでそれなに本作業は肝入りです。
目透かしはないように、しかしながら薪棚なので風が通らないといけない、しかも薪棚間の間隔がバラバラ(木をよけるように設計している)なのでピッチがバラバラ。
窓からの目線の角度も計算してかぶせ厚をきめました。
一応垂直も見ながらひたすら張っていきます。
全部張ってみるととてもいい感じです。
屋根ができていませんがつい試し積みしてしまいました。
薪に囲まれているのを想像してすこしにやつくのでした。
薪棚DIY【9】に続く。
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○作業日数 10日
1日目:床材の切り出し・塗装
2日目:床張り(1段目)・貫板の加工 3日目:貫板施工、楔・込栓づくり
4日目:楔・込栓施工
5~7日目:筋違施工、床板施工(2段目)
8~10日目:壁板施工 ○本DIYで使用した主な工具達
・丸ノコ(マキタHS631D) ・ジグソー(マキタJV182D)
・ドライバドリル(マキタDF458D)
・インパクトドライバー(マキタTD170D)
・角のみ(日立BS30) ・丸のこ盤(マキタ2703)