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店舗(ドライフラワーショップ)DIY(3坪+ロフト)刻み その4 【埼玉県日高市】

  • 執筆者の写真: tette diy
    tette diy
  • 2023年3月26日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年7月29日

母屋(天井先張り)の加工

2022.9.17

刻みももうすぐ半分

残しているのは


母屋、通し柱、胴差、梁、火打ち、下屋周りです。

本数的には半分ですが、内容の濃いものを残してあります。


隣では奥様もドライフラワーショップで販売する予定のつみ木アイスを作っています。


一心不乱に削る様、木工初心者とは思えません。頼もしい!

かわいいつみ木に仕上がっております。何卒よろしくお願いします。



それをよそに母屋の加工に入ろうとしたところ問題が発生しました。


難しい…

端材で試しに刻んでみました。


丸ノコについている勾配の角度を出せる機構をもとに調整してみますが、

あちらを立てればこちらが立たず。

コンマ以下の調整を幾度か…

決まった!と思っても長尺を切っていくといつの間にかずれている…

うーん…


熟練の技があるのなら大したことない加工ですが、私にとっては難しく精度が出せず困りました。

3寸5分角の中で1mmずれたら3尺先では約10mmのずれ。

2mmずれたら20mm天井材の羽目板をかなりしならせることになります。

そもそもそれで屋根として機能するのだろうか?


今回の店舗の設計は天井先張りです。

垂木の前に母屋に天井を張るということです。


木口から勾配切りをしてそんな状況なのに、室内になる部分だけを勾配切りをして(途中から丸のこを斜めに入れていく)精度を出すのは今の私には不可能だと判断しました。


もちろん垂木を先にして後で天井を作ってもいいのですが、

吊り天井だと下地次第でいろいろ誤魔化せるしまぁ簡単だろうと。


母屋を出して数少ない込栓を見せたいとか

落ちてくるものもないしとか

どうせならこっちだろ


という程度の理由で決めましたが…


とにかく、そう決めたので何とか対処しようという気持ちです。


諦めが悪いのは折り紙付き、如何ともしがたい性分…

何とか知恵を絞ります。



治具を作る(ミゾキリ勾配定規)

そうしてできたのがこちら。


MDF材の端材で適当に作った割にはなかなかの精度。

調べてみるとちゃんとした製品もあるらしいですが数万円…

特殊すぎるので受注生産でしょう。

この手の物は作るに限ります。

写真ではちょっと(0.5mmくらい)行き過ぎてるけどミゾキリで深さは調節できるのでOK。


36mmの刃がついているのでこれをひたすらずらしながら刻んでいきます。

短手の芯芯が2730mm、天井を張る場所はそれより少し長いので単純計算で80回弱ミゾキリを動かさないといけないわけです。

それを母屋5本。

まぁ、5本で済んでよかったと思うべきですが…


何時間かかるんだろうか…

我ながらなかなかの効率の悪さ。


始めないと終わらないので始めます。



まずはこんな風にしてみましたが鑿でとるのも面倒そうだなとおもい…


切り口を重ねながら全部取りました。

しかしながらへっぽこ鉋では節がしんどい。



何とか5本仕上げました。

概ね墨通りに削れたので天井が浮くことはないでしょう。

結構しんどかった。


通し柱刻み

通し柱はホゾ自体はほかの柱と同じですが胴差仕口があります。

胴付きの深さが心配だったのでこんな治具を作りました。




また、墨よりもホゾの成を長くしました。

ホゾは少しでも太い方が良いかなと思っての変更です。


こうだったけど…(75mm)

こうしました。(105mm)


胴差の刻み

今回の構造材の大ボスともいえる胴差。

1本あたり1万円越えとDIYで扱う材としては結構な金額。

ミスったら焼肉行けたなーとか

ミスったらルートビア100本買えたなーとか

ミスったらマキタのインパクト本体だけなら買えたなー

とかそんなこときっと思ってしまうので何回も墨と図面を照らし合わせおまけに建前の時のイメトレをしたりそれを何回も何回もループしました。

そんなこんなで一番おいしいというか、肝ながらも避けていた胴差をついに触りました。

幅3寸5分の成7寸。

決して太くはないもののなかなかの重さ。

重さ自体は25キロ前後ですが芯を持たないと途端に取り回しが難しくなります。

建前でこいつを持ち上げるのかと思うと… 



床梁仕口、火打ち仕口、火打ちの雇いみちも無事刻めました。

そして以前から使いたかったタナカの「パイプ羽子板かくれんぼ」





ネーミングセンスからしてなかなか働いてくれそうな金物です。

用途としては羽子板と同様に梁同士の緊結に使うのですが、化粧部分で金物が露出しないという優れものです。

穴あけ時に少し気を使いますが特に問題なく加工できました。

ロフトの床梁が下面から化粧(天井を張らない)なので使用しましたが、ついでに胴差~梁も使用しました。


梁、床梁の刻み

胴差が終わって一安心。

後は成はあるけど加工は簡単な梁と床梁だけです。

淡々と刻みます。




下屋周りと火打ちの刻みを残し段取りの関係上建前をすることにしました。

かなり時間がかかってしまいましたがいよいよ建物になってきます。

準備を急ぎます。


~つづく~

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