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店舗(ドライフラワーショップ)DIY(3坪+ロフト)構造(火打ち梁・下屋) 【埼玉県日高市】

  • 執筆者の写真: tette diy
    tette diy
  • 2023年9月9日
  • 読了時間: 4分


2022.10.29

ルーフィングを張って一安心。

しかしながら後回しにしていた構造部分があります。


それは下屋(店舗エントランスウッドデッキになるところ)と火打ち梁部分です。

理由としては早く屋根の水仕舞いをしたかったのはもちろんですが、火打ちに関しては「難しい」「手間がかかりそう」ということが分かっていたのでつい後回しにしてしまいました。


下屋構造

下屋の構造は通し柱にぶつける設計でしたが、墨付けを忘れ、刻みも忘れ建て方まで終了したところで、

あれ?下屋の仕口なくね?と気付きました。


「できるだけ入口周りはシンプルに」という店主からの要望がありましたので控え、方杖とか火打は入れていません。

それゆえそこそこ加工精度を高くしたいところです。


えーいとドリルと鑿で掘りたいところですが…

と考えたところしばらく塩漬けにしていた道具を思い出すのでした。





スターエム様のルーロー!

何やらご飯にかけたらおいしそうな名前ですがそっちのルーローではなく「ルーローの三角形」とか「ロータリーエンジン」の方のルーローが由来(デザイン的なもの)となっているドリルガイドのことです。


固定している間にこりゃ使わなくてもいいかもなと思いつつも箱から出してせっかくバイスで固めたのでそのまま進めます。



おかげさまでよい仕口ができました。


下屋柱基礎

続いて柱の基礎です。

下屋の下は店舗入り口となりウッドデッキを作る予定なので基礎部分は見えがかりません。

なのでコスト、手間ともに抑えてちゃちゃっとつくります。

どうにかなってもあとでどうにかなるだろうという考えでもあります。




接着剤とモルタルで固めしばらく養生します。


~何日か後~

刻んであった下屋用の構造を組みます。

隠れるところはボルトでしっかりと固めますが見えるところは込栓で固めました。



この後は構造用面材→シート→垂木受け→垂木→野地板→ルーフィングと進めていきます。




火打ち梁

「火打ち梁」というのは梁、桁の直行する箇所に入れ、水平方向の変形を防ぐための構造材です。法令などでも「囲まれた範囲が〇〇平米以下になるようにーーー」などあるようですが、別にセルフビルドの3坪小屋ならなかろうが何の問題もないでしょう。


しかしながらないならないでさみしい気もする…

意匠的にもないのはちょっと…


おおむねの木造住宅の火打ちは天井や床下などの見えないところにあるものですが今回の設計では小屋裏ロフトかつロフト床は1F天井を兼ねていますので4隅に入れた場合すべて見えがかります。(化粧)

(床下に関しては土間床なので入りません)


鋼製のボルトで、えいっとつけてしまう火打ちもありますが私にとっては「逃げ」でしかありません。

工期を短く。コストを抑えて。などと言う限りは鋼製のものを採用すべきですが「楽しい」からも遠ざかる選択であることは明白でした。


はっきり言うと最初から鋼製火打ち梁の選択肢はありませんでした。




ホリウチオリジナルヒウチバリ

とはいうものの…


「火打ち梁」の設計はどこを探してもなかなか出てきてくれません。

店舗DIYの難所の一つでした。

「推奨される材(3寸以上とか)」はかろうじて発見することができましたが、

「仕口からどれくらいの場所に火打仕口を持ってくる」とか

「火打仕口」とか

「火打納め方」とか

「火打留め方」とか

とかとか


たまーに珍しい(失礼)工務店様のWEBページでピクセル数の低ーい、粗めーな画像などありますが寸法など窺い知れるわけもなく…


もうこうなったら自分で考えるわい!

ということでホリウチオリジナルの火打を梁を設計することにしました。

結果見たこともないようなものができるのですが…



はいっ

できましたー

何回も描き直しましたがー

かなりユニークなものができるのではないでしょうか。


参考にした大入れのある火打ちの仕口は緩い角度だったのでもっと鋭角(直角)にしました。

木造だと力を分散するほうが良いということでゆるーくしているのかもと思いましたが加工の手間を考えて直角に。


周りの構造はすでに固定されているので落とし込めるように「雇い」にしました。

雇いを梁桁側、火打側から込栓で固定するという構造です。

考えただけで加工が難しそうです。


考えていても始まりません。

加工を始めてみます。


こりゃぁ手間がかかりそうだな…

斜めのほぞ穴とかどないすんねん…


しばらく考えて塩漬けにしていた道具を思いry…


またしてもルーロー!

45度まで傾斜をつけられるのでまさに今回の加工にはうってつけ!のはず…



いざ!

多少のブレはありますが自分を信じてゴリゴリと削っていきます…




コレ、キタンジャネ?


裏表から穴をあけた後に鑿できれいにし、さらに刻んで仕口を整える。

と恐ろしく時間がかかります。

まぁいいかと墨付けの段階で節をよけなかった自分を責めましたね。

4本しかないのに丸一日以上かかって何とか納まりました。



雇いも作ってパイルダーオン!


仕上がりはというと飛び出た雇いが何か猫耳みたいにかわいくなりましたがかなりユニークなものになりました。


効くか。  ではなくユニークか。

簡単。   ではなく難しいか。

つまらない。ではなく楽しいか。


自画自賛の仕上がりになるのでした。



~つづく~


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